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「損益分岐点」とは何か

採算性を知る

損益分岐点とは、売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高のことです。
損益分岐点売上高ともいいます。

売上高と費用の額がちょうど等しいということは、利益も損失も出ない状況です。
すなわち、損益分岐点とは、利益がゼロの売上高のことです。
損益分岐点を知ることは、事業の採算性である損得を計算することと同じです。

ところで、新規事業の立案では、その事業価値や意義も大事ですが、何といってもその新規事業が成功するのか、どうか、が議論になります。
当然ながら、新規事業が、成功するか、失敗するか、これは、誰にもわかりません。
しかし、その新規事業を実施するか、否かの判断材料の一つに採算性を知る「損益分岐点」があげられます。

 

具体的には、その事業において、どのくらいの売上高で、どのくらいの費用支出があり、結果的にどのくらい利益が稼げるのか、ということです。
損益分岐点を知ることで、新規事業に代表される事業の損得を知ることができます。

乗車券を購入すべきか?定期券を購入すべきか?

身近例で、損益分岐点を知る採算性を考えてみましょう。

採算性とは、収支トントンのことです。
つまり、利益がプラスでもマイナスでもなく、ちょうどゼロの売上高を知ることです。
この「利益ゼロの売上高」のことを損益分岐点といいます。
損益分岐点を知れば、いくら売れば利益が出るのか、がわかります。
身近な例で、採算性を考えてみましょう。

 

あなたは、毎日、電車で出社するとします。
一日の乗車料が、片道250円、往復500円とします。
1ヵ月の定期券代は、1ヵ月10,000円です。
このとき、採算がとれる利用日数は、何日でしょうか?

ざっくり、計算してみましょう。

定期券10,000円÷500円=20日

この計算から、通勤日数が20日なら、あなたは、定期券を購入しても、毎日、乗車券を購入しても、同じ金額を通勤費として支払うことになります。

しかし、20日の出勤日数を超え、かりに21日だとすると、つぎのような計算になります。

毎日の乗車券代(往復) 500円×21日 =10,500円
1ヵ月の定期券代 10,000円

この比較からわかるように、毎日の乗車券を購入するか?定期券を購入するか?の採算性は、出勤日20日が線引きになることがわかります。
この20日という損益分岐点を知ることで、採算性も知ることになります。

変動費,固定費,変動費率とは何か

損益分岐点を知るには、つぎの3つの知識が必要になります。

変動費」「固定費」「変動費率」の3つです。

変動費とは、売上高に比例して増えたり減ったりする費用です。
仕入れた商品などが代表的な例です。売上が増えるほど、仕入れる商品も増えるからです。

変動費(円)=売上に比例して増減する費用

 

固定費とは、売上高に関係なく発生する費用のことです。

人件費が代表的なものです。社員の給与は売上高に関係なく支払わなければなりません。
その他、販売費や一般管理費も固定費と考えてください。

固定費(円)=売上に関係なく発生する費用

最後に変動費率です。
変動費率は、変動費を売上高で割ったものです。
計算式はつぎのとおりです。

 

 変動費率(%)=(変動費÷売上高)×100

 

これら3つの知識をつかって、損益分岐点売上高は求められます。
損益分岐点売上高の計算式は、つぎのとおりです。

損益分岐点売上高(円)=固定費÷(1-変動費率)×100
 

つぎに具体的に採算性を計算してみましょう。

B社のデータは、つぎのとおり。損益分岐点売上高はいくらか。
 

            B社のデータ  (単位:百万円)
 

売上高3,000
仕入高1,800
固定費800


B社の損益分岐点売上高は、以下のようになります。まず、変動費率をもとめます。

 変動費率 601,800÷3,000) ×100

 つぎに公式をつかって、損益分岐点売上高をもとめます。

800÷(1―0.6)×100 2,000

損益分岐点売上高は、2,000円となります。

B社は、2,000円の売上高があれば、収支トントンの「利益ゼロ」になることがわかります。つぎに2,000円のときに利益がゼロになるのかを検算してみましょう。

 

B社の損益分岐点売上高

       (単位:百万円)

売上      2,000

仕入※     1,200

固定費      800

利益         0

 

※仕入高は、変動費です。つまり、売上高に比例します。変動費率は60%ですから、売上高2,000円に比例する仕入高は[2,000×60%=1,200]となります。初学者が間違いやすいところですから要注意です。このように損益分岐点を知ることで、どのくらい売れば、利益が出るのか、がわかります。

損益分岐点比率とは何か

損益分岐点売上高をつかった経営分析の一つに損益分岐点比率があります。
計算式は、つぎのとおりです。

損益分岐点比率(%)=(損益分岐点売上高÷売上高)×100

この比率は、小さい数字ほど良いことになります。

これは、売上高と損益分岐点売上高の数字が離れているほど、利益を確保しているからです。反対にこの数字が大きくなるほど、経営は苦しいことになります。
利益が確保しにくい経営状態であるからです。

 

さらに損益分岐点を学ぶうえで不可欠な知識である
【限界利益】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。

こちらをご参照ください。
参考記事
  ↓

限界利益とは何か

 

 

変動費と固定費の業界データを知る

変動費や固定費は、各業界によって、特色があります。
ここでは、中小企業庁が公表しているデータを参考にざっくりした業界データを表記します。

 

項目/業界全産業建設業製造業卸売業小売業
変動費(%)74.881.178.283.273.1
固定費(%)23.117.318.916.226.0

ちょっとした豆知識【損益分岐点編】

・損益分岐点を改善する方法

 損益分岐点を改善する方法、つまり損益分岐点を下げる方法になります。

大きく2つあります。
固定費を減らす。
変動費を減らす。

①変動費を減らす方法

変動費を削減する方法は、商品や材料などを仕入れる単価を下げることです。ポイントは、売上に貢献度の少ない費用を選別し削減することです。

②固定費を減らす方法

固定費を減らす方法は、たとえば人件費を削減する手があります。その他、地代家賃を下げる方法もあります。

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