2008年9月20日創業。お客様に愛されて9年。このHPで決算書・経営分析・簿記の基本を学べます。PDF教材販売中!サンプルも見れます。

さまざまな勘定科目その2

さまざまな勘定科目その2

・「有価証券」とは何か

有価証券の仕訳において、注意すべきは、以下の2点です。

①有価証券の購入にかかった諸費用(付随費用)は、購入原価に含める。

②売却のときには、A銘柄、B銘柄などのように銘柄ごとに売却益、あるいは、売却損を計算する。

[例1]売買目的で、A銘柄30株(1株@60,000)を購入し、証券会社に支払う手数料150,000円とともに現金で支払った。

借方

貸方

売買目的有価証券 1,950,000

現金 1,950,000

※ 30株×@60,000=1,800,000

1,800,000+150,000=1,950,000

[例2]上記、A株を10株、@80,000で、売却し、代金は当座預金に振り込まれた。

借方

貸方

当座預金 800,000

売買目的有価証券 650,000

有価証券売却益  150,000

※ 1,950,000÷30株=650,000 単価65、000

   10株×@65、000=650,000 [売却された売買有価証券価額]

[例3]上記、A株を20株、@40,000で、売却し、代金は当座預金に振り込まれた。

借方

貸方

    当座預金    800,000

有価証券売価損       500,000

売買目的有価証券1,300,000

※ 1,950,000÷30株=650,000 単価65、000

   20株×@65、000=1,300,000 [売却された売買有価証券価額]

  (65、000−40,000)×20株=500,000[売却損]

有価証券の期末評価

「売買目的」で購入した有価証券は、その目的からつねに価格の変動を注意しておかなければなりません。時価の高い時に売り、利益を得るためです。このため、決算時には、売買目的有価証券の評価替えを行う必要があります。評価替えとは、市場価格である「時価」に合わせて、売買目的有価証券の金額を修正することです。

具体的につぎの有価証券データでみていきましょう。

[有価証券データ]

銘柄

帳簿価格

時価

保有目的

A社株式

100,000円

 70,000円

売買目的

B株式

120,000円

130,000円

売買目的

有価証券の評価は、個別の銘柄で評価するものではありません。A社株式は、帳簿価格100,000円に対して、時価が70,000円ですから、30,000円の評価損となります。

また、B社株式は、帳簿価格120,000円に対して、時価130,000円です。このため10,000円の評価益を計上するということではない、ということです。

有価証券の評価は、帳簿価格の合計額と時価の合計額を比較し、計算するものです。

上記の有価証券データでは、帳簿価格の合計額220,000円と時価の合計額200,000円を比較し、評価損20,000円とします。

期末の仕訳は、つぎのとおり。

借方

貸方

有価証券評価損 20,000

売買目的有価証券 20,000

※なお、次期以降は、時価である200,000円を基準にして、有価証券を評価していきます。

たとえば、時価が170,000円になれば、有価証券評価損は、30,000円になります。このような評価方法を「切り放し法」といいます。もともと取得原価と切り放して評価するということです。

有価証券利息

有価証券のうち「社債」を所有していた場合、その売却の仕訳には注意が必要です。それというのも社債には、利息の支払い日である「利払日」が決まっています。利払いは、当然、その時点の社債の所有者に支払われることになります。たとえば、利払日が、3月末。社債の売却日が、12月末の場合、社債を買った人が、3月末に社債の利息を全額受け取ることになります。これでは、12月末まで所有していた売った人が気の毒です。このため、社債の利息は、売買時に清算処理することになります。なお、社債の利息は、「有価証券利息」勘定であらわします。

[例] A社は、12月31日にB社に対して、C社債(額面3,000,000円、帳簿価格2,900,000円)を2,950,000円で売却し、売却代金と端数利息は、当座預金に振り込まれた。なお、社債利息は、年3%(利払い 年2回、3月末、9月末)であり、売却代金には、端数利息に含まれない。

[A社の仕訳]

借方

貸方

当座預金 2,972,685

有価証券 2,900,000

有価証券売却益 50,000

有価証券利息   22,685

※有価証券売却益 2,950,000−2,900,000=50,000

  有価証券利息 3,000,000×3%×92/365=22,685(小数点切り上げ)

  日数計算 10月は、31日。11月は、30日。12月は、31日。よって、合計92日。

[B社の仕訳]

借方

貸方

有価証券 2,950,000

有価証券利息  22,685

当座預金 2,972,685

[3月末にB社が受け取る有価証券利息の仕訳]

借方

貸方

当座預金 45,000

有価証券利息  45,000

※ 3,000,000×3%×6/12[か月]=45、000

B社は、購入時にA社に支払った、有価証券利息である22、685円を差し引くことにより、C社債の購入により、得られた有価証券利息を計算することができます。つまり、45、000−22,685=22,315円の有価証券利息を得たことになります。

有価証券の貸借

[貸付有価証券]

売買目的有価証券を貸し付けることがあります。自社に代わって、運用の上手な他社に有価証券を運用してもらおう、というわけです。これが、「貸付有価証券」です。貸し付けた有価証券の仕訳の金額は「帳簿価格」になります。

[例1]A社は、帳簿価格400,000(時価700,000)の株券をB社に貸し付けた。

借方

貸方

貸付有価証券 400,000

売買目的有価証券 400,000

それでは、反対に有価証券を借りた場合は、どうなるのでしょうか。

他社から有価証券を借りた場合は、時価で仕訳をおこなうことになります。

[例2]B社は、帳簿価格400,000(時価700,000)の株券をA社から借り入れた。

借方

貸方

保管有価証券 700,000

借入有価証券 700,000

なお、B社は、借り入れた有価証券を自社の資産として計上することはできません。借り入れた有価証券ですから当然です。このような仕訳を対照勘定といいます。対照勘定は、自社の資産・負債・純資産に変動を与えるものではない、備忘記録であり、メモ記録と考えればよいでしょう。

・「繰延資産」とは何か

会社の創立費を考える

会社の創立のときには、登記したり、株式を発行したりとさまざまな多くの費用がかかります。これらの費用を会社設立時に全額、費用計上したのでは、どの会社も初年度は赤字になるケースが多くなるでしょう。また、創立費の性質上、ある程度の期間にわたって、かかった費用を期間配分した方が、実務上も合理的といえます。このような創立費のように本来は、費用ですが、ある程度の期間にわたって、費用計上するために、いったん「資産」として計上する費用を「繰延資産」といます。

[繰延資産]

項  目

内        容

償却期間

創立費

会社の設立にかかった費用

5年以内

株式発行費

増資にあたってかかった費用

3年以内

社債発行費

社債を発行するためにかかった費用

社債の償還期間

開業費

会社設立後、開業までにかかった費用

5年以内

開発費

新技術の開発などにかかった費用

5年以内

繰延資産の種類

繰延資産の種類と内容を個別にみていきましょう。

なお、繰延資産の償却にあたっては、残存価額はゼロになります。これは、繰延資産が、もともと費用にもかかわらず、その性質上、「資産」として扱うことからも理に適ったことでしょう。

[創立費]

会社を設立するために支出した費用をまとめて「創立費」といいます。たとえば、登記費用などです。

[取引例]創立費3,000,000円を小切手で支払った。

借方

貸方

創立費 3,000,0000

当座預金 3,000,000

[取引例]決算にあたり、創立費を償却する。なお、償却期間は5年間とする。

借方

貸方

創立費償却 600,000

創立費 600,000

※ 3,000,000円÷5年=600,000円

[開業費]

会社は、登記が終わって設立しても、すぐに営業ができるわけではありません。ある会社はホームページを立ち上げるかもしれません。これも費用がかかることです。営業開始までにかかった費用を開業費として処理します。

[取引例]開業費1,000,000円を小切手で支払った。

借方

貸方

開業費 1,000,0000

当座預金 1,000,000

[取引例]決算にあたり、開業費を償却する。なお、償却期間は5年間とする。

借方

貸方

開業費償却 200,000

開業費 200,000

※ 1,000,000円÷5年=200,000円

[開発費]

会社は、特に製造業においては、常に新技術の開発・研究を行っていく必要があります。これらの費用を開発費として処理します。

[取引例]開発費として2,000,000円を小切手で支払った。

借方

貸方

開発費 2,000,0000

当座預金 2,000,000

[取引例]決算にあたり、開発費を償却する。なお、償却期間は5年間とする。

借方

貸方

開発費償却 400,000

開発費 400,000

※ 2,000,000円÷5年=400,000円

[株式交付費]

会社は、新たに株式を発行するときは、株主の募集広告など多くの支出が必要になります。これらの費用は、株式交付費として処理します。

[取引例]新株式の発行費用として900,000円を小切手で支払った。

借方

貸方

株式交付費 900,0000

当座預金 900,000

[取引例]決算にあたり、株式交付費を償却する。なお、償却期間は3年間とする。

借方

貸方

株式交付費償却 300,000

株式交付費 300,000

※ 900,000円÷3年=300,000円

[社債発行費]

社債を発行するために支出した、募集広告などの支出費用は、社債発行費として処理します。

[取引例]社債の発行費用として300,000円を小切手で支払った。

借方

貸方

社債発行費 300,0000

当座預金 300,000

[取引例]決算にあたり、社債発行費を償却する。なお、償却期間は3年間とする。

借方

貸方

社債発行費償却 100,000

社債発行費 100,000

※ 300,000円÷3年=100,000円

なお、社債発行費の償却は、償還期間にわたって処理されることになります。すなわち、償還期間が3年なら3年間での償却になり、5年間なら5年間での償却になります。

・「貸倒引当金」とは何か

[貸倒引当金の繰入額]

期末に必要とされる貸倒引当金は、【売上債権×設定率】で計算します。

売上債権 1,000,000円 設定率2%

1,000,000×0.02=20,000円

20,000円が当期に設定される貸倒引当金の設定額となります。

借方

貸方

貸倒引当金繰入 20,000

貸倒引当金 20,000

ここで、一つ注意点があります。

たとえば、期末に貸倒引当金残高が、18,000円あったとします。

このとき、設定すべき貸倒引当金は、20,000−18,000=2,000

つまり、2,000円の計上ですむのです。すなわち、仕訳はつぎのとおりになります。

借方

貸方

貸倒引当金繰入 2,000

貸倒引当金 2,000

よく、期末の貸倒引当金残高に注意せず、売上債権に設定率を掛けた金額をそのまま貸倒引当金に計上する人がいますので、注意してください。

[例1]決算にあたり、売上債権3,000,000円に3%の貸倒引当金を設定する。

    なお、貸倒引当金の前期繰越高は、ゼロである。

借方

貸方

貸倒引当金繰入 90,000

貸倒引当金 90,000

 この例は、単純に貸倒引当金の計算式である【売上債権×設定率】に当てはめるだけです。

[例2]決算にあたり、売上債権3,000,000円に3%の貸倒引当金を設定する。

    しかし、貸倒引当金の前期繰越高が、20,000円ある。

借方

貸方

貸倒引当金繰入 70,000

貸倒引当金 70,000

この[例2]では、前期繰越高として20,000円があります。このため、[例1]のように90,000円全額を貸倒引当金として計上することはありません。今期の貸倒引当金から前期の貸倒引当金残高を差し引くことになります。すなわち、90,000−20,000=70,000 というわけです。

貸倒れが発生したとき

貸倒れが、実際に発生したケースをみていきましょう。

[貸倒引当金を設定していなかったケース]

[例1]売掛金残高200,000円が貸倒れになった。なお、貸倒引当金は設定していなかった。

借方

貸方

貸倒損失 200,000

売掛金 200,000

※貸倒れは、「貸倒損失」勘定で仕訳します。

[貸倒引当金を設定しているケース]

[例2]売掛金残高200,000円が貸倒れになった。なお、貸倒引当金は300,000設定してある。

借方

貸方

貸倒引当金 200,000

売掛金 200,000

このケースでは、貸倒引当金の設定金額の範囲内で、貸倒れが処理できました。

それでは、貸倒引当金を超えた貸倒れはどうなるのでしょうか。

[例3]売掛金残高200,000円が貸倒れになった。なお、貸倒引当金は150,000円設定している。

借方

貸方

  貸倒引当金 150,000

   貸倒損失  50,000

売掛金 200,000

※貸倒引当金を超えた部分を貸倒損失として処理します。

・「商品の期末評価」とは何か

商品の期末評価で、ポイントになるのは、「棚卸減耗費」と「商品評価損」の2つです。

なかなか、手ごわいところですので、しっかり、学びましょう。

[棚卸減耗費]

コンビニに代表されるような街のお店には、多種多様な商品が数多く陳列されています。当然、店側としては、商品をしっかり管理していく必要があります。本来、あってはならないことですが、帳簿上の商品数量(帳簿数量)と実際にある商品の数量(実地数量)が異なることがあります。万引きなどの盗難や紛失など、さまざまな理由が考えられますが、実際問題として、数量の不一致は起こります。

このなくなってしまった商品を「棚卸減耗費」といいます。

【A商品の在庫データ】

仕入原価 @100円   帳簿数量 200個

   時価 @ 80円   実地数量 180個

棚卸減耗費の計算式は、つぎのとおり。

棚卸減耗費=(帳簿数量−実地数量)×仕入原価@

この計算式で、A商品の棚卸減耗費を計算します。

(200個−180個)×@100=2,000

棚卸減耗費は、2,000円となります。

[商品評価損]

商品の評価損とは、期末に所有する商品の時価が、下落したときに評価損を計上するものです。

ここでもA商品のデータを使って、みていきましょう。

【A商品の在庫データ】

仕入原価 @100円   帳簿数量 200個

   時価 @ 80円   実地数量 180個

商品評価損の計算式は、つぎのとおり。

商品評価損=(仕入原価−時価)×実地数量

この計算式で、A商品の商品評価損を計算します。

(@100−@80)×180個=3,600

商品評価損は、3,600円となります。

ここで、検算をしてみましょう。

もともとの商品評価額は、 @100×200個=20,000

期末の時価と実地数量は、@ 80×180個=14,400

この差額は、20,000−14,400=5、600となります。

この5、600円の内訳が、棚卸減耗費2,000円と商品評価損3,600円というわけです。

・「純資産の部」とは何か

  簿記において、貸借対照表の「純資産の部」は、なかなか難しい部分です。

あらためて、「純資産の部」をくわしくみていきましょう。

貸借対照表

資産の部 ××

負債の部    ××

純資産の部   ××

資産の部の合計 ××

負債・純資産の合計 ××

資産の部の合計と負債の部と純資産を加えた合計は、一致します。

つまり、つぎのような式にあらわすことができます。

[資産=負債+純資産]

これを「貸借対照表等式」といいます。

株主資本

純資産の部のうち、そのほとんどを占めるのは、「株主資本」です。

株主資本は、つぎのようにおおきく3つに分けることができます。

・[株主資本]

 Ⅰ 資本金

 Ⅱ 資本剰余金

 Ⅲ 利益剰余金

「資本金」とは、株主からの出資金です。

「資本剰余金」とは、株主から出資されたお金のうち資本金にしなかった部分です。

「利益剰余金」とは、これまでの利益の積立額と考えてください。利益剰余金は、さらに「利益準備金」と「繰越利益剰余金」に分けることができます。

資本剰余金

資本剰余金のうち、簿記の仕訳で問題になるのは、「資本準備金」です。

株主から出資されたお金は、原則として、全額「資本金」となります。しかし、会社法により、株主から出資されたお金のうち1/2まで資本金としないことができます。これが、「資本準備金」です。

[例1]会社の設立にあたり、株式を1株50,000円で、1,000株発行し、払込金は当座預金とした。

借方

貸方

当座預金 50,000,000

資本金 50,000,000

この仕訳が、原則的な仕訳となります。つまり、出資金がすべて資本金になります。

[例2]会社の設立にあたり、株式を1株50,000円で、1,000株発行し、払込金は当座預金とした。 なお、資本金への組み入れ金額は、会社法により払込金の1/2である25,000,000円を資本金とした。

借方

貸方

当座預金 50,000,000

資本金    25,000,000

資本準備金 25、000,0000

※この仕訳が、例外的な仕訳になります。出資された金額のうち、1/2が資本金となり、その他の1/2が資本準備金となります。資本準備金は例外的な仕訳なのです。 

繰越利益剰余金

貸借対照表では、当期純利益は、「繰越利益剰余金」に表示されます。簿記では、利益は、まず、損益勘定に計上されます。これをさらに「繰越利益剰余金」勘定に振り替えることになります。「繰越利益剰余金」が、これまでの利益の積立額というのは、このためです。損益計算書には、その期の「利益」がわかり、貸借対照表では、これまでの利益の積立額がわかるというわけです。

[例]損益勘定に計上された利益100,000円を繰越利益剰余金に振り替えた。

借方

貸方

損    益 100,000

繰越利益剰余金 100,000

[剰余金の配当]

株式会社は、株主からの出資金で成り立っています。このため、利益が出た期には、株主に配当金を支払うことになります。配当金は、おもに株主総会で決定されます。配当金の支払い額が決定したときには、つぎのような仕訳をします。

[例1]株主総会において、繰越利益剰余金から株主配当金1,000,000円を支払うことを決議した。

借方

貸方

繰越利益剰余金  1,000,000

未払配当金 1,000,000

※「未払配当金」となっているのは、決議された時点では、まだ、配当金を支払っていないからです。

のちに配当金を支払えば、つぎのような仕訳になります。

借方

貸方

未払配当金  1,000,000

当座預金 1,000,000

[利益準備金について]

会社法では、株主に配当金を支払う時、配当金の10分の1を利益準備金として積み立てなければならない、と規定しています。上記[例1]のケースは、配当金1,000,000円の10分の1である100,000円を「利益準備金」として積み立てることになります。

[例2]株主総会において、繰越利益剰余金から株主配当金1,000,000円を支払うことを決議した。

借方

貸方

繰越利益剰余金  1,000,000

未払配当金 1,000,000

利益準備金   100,000

※利益準備金の積立額は、資本金の1/4に達するまでです。                          資本金が、40,000,000円なら、その1/4である10,000,000円まで利益準備金を積み立てることになります。

[任意積立金]

会社が、それぞれの目的をもって、自由に積み立てるものを「任意積立金」といいます。

おもな積立金は、つぎのようなものがあります。

・[配当平均積立金] 会社の業績が赤字に転落しても株主に対して、一定の配当を支払うために利益を積み立てるもの。

・[別途積立金]    使う用途を特別に設けない自由な積立金 

[例3]株主総会において、繰越利益剰余金から別途積立金200,000円を積み立てることを決議した。

借方

貸方

繰越利益剰余金 200,000

別途積立金 200,000

「割戻(わりもどし)」と「割引」は、とても言葉自体は似ていますが、内容は異なります。

まぎらわしいところですので、しっかり、区別しておきましょう。

・「割戻と「割引」とは何か

・「割戻」とは何か。

割戻とは、大口取引における一部金額の免除額をいいます。

たとえば、自社と1年間に消しゴム1個のみ取引するA社と1年間に消しゴム1万個取引するB社を考えてみましょう。A社もB社も同じ取引先であることに違いはありませんが、取引量と金額を考えたとき、大口取引先であるB社に対しては、代金の一部を免除します、というものです。この免除額を「割戻」といいます。

仕入代金に関する割戻は、「仕入割戻」。売上代金に関する割戻は「売上割戻」といいます。

割戻は、いわゆる値引きと同じ仕訳処理になります。割戻も値引きも商品の移動はなく、金額の減額処理にすぎません。

・売上割戻の仕訳

借方

貸方

売上 ××

売掛金  ××

・仕入割戻の仕訳

借方

貸方

買掛金 ××

仕入 ××

・「割引」とは何か

割引とは、「買掛金」や「売掛金」の代金が、支払期日前に決済された場合に代金の一部を減額するものです。割引は、決済方法による減額ですから、財務の取引による減額といえます。これは、割戻や値引きの減額である営業の取引の減額とは、決定的に異なります。

[取引例]

A社は、B社から売掛金100,000円を2カ月後に受け取る契約をしていた。が、支払期日前である1カ月後にB社より現金での入金があった。このため、3%の割引をした。

・A社の仕訳

借方

貸方

現金   97,000

売上割引  3,000

売掛金 100,000

・B社の仕訳

借方 

貸方

買掛金 100,000

現金  97,000

仕入割引 3,000