2008年9月20日創業。お客様に愛されて9年。このHPで決算書・経営分析・簿記の基本を学べます。PDF教材販売中!サンプルも見れます。

さまざまな勘定科目

さまざまな勘定科目

・「現金過不足」とは何か

帳簿に記載されてある現金残高と金庫にある実際の現金残高は、つねに一致するのが、大原則です。しかし、さまざまな理由で一致しないことがあります。現金の紛失や記帳ミスなどは、不一致になる理由の代表的な例です。

このような現金の帳簿残高と実際残高が不一致になったときに使用する勘定科目が「現金過不足」です。

「現金過不足」の仕訳は、おおきく2つの処理に分けることができます。

一つ目は、帳簿残高と実際残高の不一致を処理する仕訳です。

二つ目は、不一致の原因がわかったあとの仕訳です。

それでは、具体例をみていきましょう。

帳簿残高と実際残高の不一致を整理する仕訳

[例1] 帳簿残高が10,000円。実際の現金残高は15,000円だった。

現金過不足のポイントは、実際の現金残高を基準に帳簿残高を合わせることです。

つねに実際にある現金を基準にして、帳簿の現金を記載していくのです。

このため、仕訳は、つぎのようになります。

借方

貸方

現金  5,000

現金過不足 5,000

帳簿残高が、実際にある現金より5、000円少ないわけですから、現金5、000円を追加計上する仕訳をする必要があります。したがって、「借方」に現金5、000円を計上。相手科目は、現金過不足となります。

これとは反対に帳簿残高が、実際の残高よりも多いケースを考えてみましょう。

[例2]帳簿残高が20,000円。実際の現金残高は10,000円だった。

借方

貸方

現金過不足  10,000

現金 10,000

実際の現金残高に帳簿残高を合わせるという基本的な考え方は同じです。

このため、帳簿残高の現金を減少させるため「貸方」に計上し、相手勘定は「借方」に現金過不足を計上することになります。

不一致の原因がわかったあとの処理仕訳

[例1]のケースでは、現金が多く、原因不明のため、現金過不足としていた。その後、原因が売掛金の入金処理もれであることがわかった。

仕訳は、つぎのようになります。

借方

貸方

現金過不足  5,000

売掛金 5,000

現金の多い原因が、売掛金の入金処理もれであることがわかったので、「貸方」に売掛金を計上、[例1]で「貸方」に計上した現金過不足を今度は、「借方」に計上させることになります。この仕訳によって、現金過不足は、「借方」と「貸方」に計上されることで、相殺されます。つまり、キレイになくなることになります。

「借方」「貸方」に計上されていた現金過不足が相殺された結果、つぎのような仕訳が残ることになります。

        借方                           

貸方

 現   金      5,000

売掛金 5,000

[例2]のケースで、現金が少なく、原因不明のため、現金過不足としていたが、その原因は、交通費の支払いの処理もれであることがわかった。

このため、仕訳は、つぎのようになります。

借方

貸方

交通費  10,000

現金過不足 10,000

実際の現金が少ない原因が、交通費の処理もれであることがわかったので、「借方」に交通費を計上、[例2]で「借方」に計上した現金過不足を今度は、「貸方」に計上させることになります。この仕訳によって、現金過不足は、「借方」と「貸方」に計上されることで、キレイになくなることになります。

「借方」「貸方」に計上されていた現金過不足が相殺された結果、つぎのような仕訳が残ることになります。

借方

貸方

交通費  10,000

現 金 10,000

・「当座借越」とは何か

実務においては、銀行に当座預金を開設したとき、万一に備えて「当座借越」を設定するのが一般的です。これは、小切手や支払手形の支払い時に当座預金残高が不足したとき、銀行が、一時的に支払ってくれるものです。仮に銀行と1000万円の「当座借越」契約を締結していれば、支払い金額が2000万円なのに対して、当座預金残高が1000万円しかなくても、銀行が1000万円を立て替えて、払ってくれるというわけです。

具体的にみていきましょう。

[例1] 買掛金の支払いとして小切手200,000円を振り出した。当座預金残高は80,000円であり、銀行とは、当座借越契約1、000,000円を結んでいる。

このときの仕訳は、つぎのようになります。当座預金には残高が80,000円しかないので、買掛金の支払額である200,000円に130,000円足りません。銀行との間に当座借越契約で 1,000,000円を結んでいるため、不足額の130,000円が銀行から支払われることになります。

貸方

買掛金 200,000

当座預金  80,000

当座借越 120,000

参考

上記の仕訳方法は、「2勘定制」といわれる仕訳です。「当座預金」と「当座借越」という2つの勘定科目を使用するためです。

これに対して、「1勘定制」といわれる仕訳もあります。これは、「当座預金」と「当座借越」の2つの勘定科目を「当座」という勘定科目1つにまとめて仕訳するものです。

[例1]の仕訳を1勘定制で仕訳すれば、つぎのようになります。

借方

貸方

買掛金 200,000

当座 200,000

・「仕入値引」と「仕入戻し」とは何か

仕入れた商品が値引きされたり、あるいは仕入れ戻し(返品)をすることがあります。

品質不良の値引き、手配ミス、品違いによる返品というのは、実務上よくあることです。

[例1]商品200,000円を掛けで仕入れた。

借方

貸方

仕入 200,000

買掛金 200,000

[例2]上記の仕訳のうち、品違いのため、100,000円を返品した。

借方

貸方

買掛金 100,000

仕入 100,000

仕入に関わる値引き・返品の仕訳は、仕入れたときの仕訳の逆仕訳(借方と貸方を正反対にすること)すればよいのです。

・「売上値引」と「売上戻し」とは何か

売り上げた商品の値引き、あるいは売上戻り(返品)をされることがあります。

品質不良の値引き、手配ミス、品違いによる返品というのは、実務上よくあることです。

[例1]商品300,000円を掛けで売り上げた。

借方

貸方

売掛金 300,000

売上 300,000

[例2]上記の仕訳のうち、品違いのため、200,000円の返品をされた。

借方

貸方

売上  200,000

売掛金 200,000

売上に関わる値引き・返品の仕訳は、売り上げたときの仕訳の逆仕訳(借方と貸方を正反対にすること)すればよいのです。

・「三分法」 とは何か

商品を仕入れ、そして、売ったとき、これまで、「仕入」「売上」という勘定科目で処理してきました。これは、商品を「仕入」「売上」、そして、決算時に使用する「繰越商品」という三つに分割して処理するため「三分法」といわれる仕訳方法です。

・分記法

商品売買を「商品」と「商品売買益」という2つの勘定科目をつかった仕訳方法を分記法といいます。ここでは、わかりやすいように「三分法」と「分記法」を比較しながらみていきます。

[例1] 商品100,000円を掛けで仕入れた。

<三分法>

借方

貸方

仕入 100,000

買掛金 100,000

<分記法>

借方

貸方

商品 100,000

買掛金 100,000

[例2] 上記、[例1]の商品を120,000円で販売し、代金は現金で受け取った。

<三分法>

借方

貸方

現金 120,000

売上 120,000

<分記法>

借方

貸方

現   金 120,000

商   品  100,000

商品売買益 20,000

分記法では、売上の都度、「商品売買益」という利益を計上します。このため、商品の数や売買の頻度が少ない、宝石店などの業種には適しています。一方で、大量の商品を取り扱う小売店には適さない仕訳方法といえます。

・「小口現金」とは何か

会社では、日々、さまざまな経費の支出があります。消しゴムやノートの購入はもちろん、社員の出張費や慶弔費などです。このため、経理担当者が、ある程度の決まったお金を手もとにおいておくのがふつうです。これを「小口現金」といいます。小口現金は現金と全く同じですが、仕訳の処理上、小口現金を設けるときは、現金と区別し、「小口現金」勘定とします。

具体的にみていきましょう。

[例1]小口現金として、経理担当者に小切手を振り出し、30,000円を渡した。

借方

貸方

小口現金   30,000  

当座預金  30,000

[例2] 経理担当者から今月の支払い明細書について、下記の通り報告があった。

     交通費 10,000円 通信費 3,000円 雑費 2,000円

借方

貸方

交通費   10,000

通信費     3,000

雑費      2,000

小口現金 15,000

[例3]小口現金支出分をただちに小切手を振り出して補給した。

借方

貸方

小口現金 15,000

当座預金 15,000

参考

定額資金前渡法(インプレスト・システム)

小口現金の金額を一定額、あらかじめ決めておくことで、毎月決まった手もと金をおく方法です。上記の例でいえば、毎月30,000円という一定額を小口現金としています。このため、経費15,000円を使用した場合は、再度、15,000円を補給して30,000円の手もと金を確保しておくというわけです。

・「仕入と取引運賃」とは何か

取引先から商品を引き取る時、その引取運賃の負担は、どちらが負担するのでしょうか。

実際のビジネスでは、取引先との力関係で、負担する側が決まってくるのが現実です。

しかし、ここでは、一般的なケースとして仕入れた側がその引取費用を負担する例を取り上げます。ふつう、仕入れにかかる引取運賃は「仕入れ金額に含めて仕訳」します。つまり、引取運賃として独立した勘定科目は設けないのです。

[例1] 商品100,000円を仕入れ、代金は掛けとした。引取運賃5,000円は現金で支払った。

借方

貸方

仕入    105,000

買掛金  100,000

現金      5,000

・「売上と発送費」とは何か

お客さんのところへ商品を発送するケースがあります。

特に全国へ商品を販売している会社では、商品の発送費は、大きな問題です。この発送費を自社が負担するのか、あるいはお客さんに負担してもらうのか、によって簿記の仕訳はことなります。

次の例をつかって、発送費を自社が負担するケース。お客さんに負担してもらうケースをそれぞれみていきましょう。

[例1] 商品100,000円を売り上げ、代金は掛けとした。発送費3,000円は現金で支払った。

[発送費を自社が負担するケース]

借方

貸方

売掛金    100,000

発送費      3,000

売上 100,000

現金   3,000

[発送費をお客さんが負担するケース]

借方

貸方

売掛金    100,000

立替金      3,000

売上 100,000

現金   3,000

※ お客さんに発送費を負担してもらうにしても、発送費は、いったん自社で負担することになります。のちに立て替えた3,000円をお客さんに支払ってもらうことになります。

参考に立替金を含めた代金を回収したときの仕訳はつぎのとおりです。

借方

貸方

現金  103,000

 売掛金 100,000

 立替金   3,000

・「償却債権取立益」とは何か

売掛金が、取引会社の経営悪化により、回収できなくなることがあります。

このときは、貸倒れとして処理します。その後、貸倒れとした売掛金が、取引会社の経営好転から回収できるケースがまれにあります。このとき、すでに売掛金は貸倒れ時に処理しているので、すでにありません。このため、回収した代金は、他の勘定科目を使用することになります。その勘定科目が、「償却債権取立益」です。

売掛金の計上から貸倒れ、そして、償却債権取立益までの取引経過を3つの取引でみていきましょう。

[例1]鈴木商店に商品100,000円を掛けで売り上げた。

借方

貸方

売掛金   100,000  

売上  100,000

[例2] 鈴木商店が経営悪化のため、売掛金100,000円の回収か困難と判断し、

     貸倒損失とした。

借方

貸方

貸倒損失  100,000

売掛金 100,000

[例3]鈴木商店の経営が好転し、貸倒れとして処理した売掛金100,000円を現金で回収した。

借方

貸方

現金 100,000

償却債権取立益 100,000